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名東区上社で愛犬・愛猫の発作やけいれんにお悩みの方へ|症状の見分け方と対処法

愛犬や愛猫が突然発作やけいれんを起こしたら、どう対処すればよいのか戸惑ってしまう飼い主様も多いのではないでしょうか。動画で見たことがあっても、実際に目の前で発生すると冷静でいるのは難しいかと思います。

発作が起きた際に慌てないためにも、あらかじめ対処法と信頼できる動物病院の情報を確認しておくことが大切です。

今回は、名古屋市名東区で犬や猫の発作・けいれんに悩む飼い主様に向け、症状の見分け方や受診の目安をご紹介します。

■目次
1.犬や猫の発作・けいれんとは?見分け方と一般的な症状
2.主な原因
3.発作・けいれんを起こしたときの応急処置
4.いつ動物病院を受診すべき?受診の目安
5.診断方法と治療
6.まとめ

 

犬や猫の発作・けいれんとは?見分け方と一般的な症状


私たち人間と同じように、犬や猫の体は通常、脳からの電気信号によって動いています。この電気信号に異常が生じると、発作やけいれんが発生します。

<けいれんとは>

脳の異常な電気信号により、筋肉が自分の意志とは関係なく動く状態を指します。体の一部、または全身が震える様子が見られます。

<発作とは>

脳の異常によって発生する神経の異常な反応で、大きく次の4種類に分類されます。

単純部分発作意識はあるものの、特定の筋肉がけいれんしたり、視覚障害が起こることがあります。
複雑部分発作意識がもうろうとし、顔のけいれんよだれ口をパクパクさせる動作が見られます。
全般発作全身が震え、1〜3分程度続く場合があり、失禁することもあります。
重積発作:発作が5分以上続く、または発作が連続して起こる状態で、命に関わるリスクがあります。

発作の種類によっては一時的なものもありますが、放置すると命に関わるケースもあるため、発作が見られた際には早めに動物病院への相談を検討しましょう。

 

主な原因


犬や猫の発作やけいれんにはさまざまな原因があります。特に春先は環境の変化が多く、ストレスが原因で発作が誘発されるケースもあるため、注意が必要です。

1. 脳の病気
発作の原因として最もよく知られているのがてんかん発作です。これは脳からの異常な電気信号によって引き起こされる発作で、MRI検査などで明確な異常が見られない場合に診断されます。他にも、脳腫瘍脳炎水頭症などの疾患が原因となることがあります。

2. 肝臓・腎臓の病気
肝臓や腎臓は、体内の有害物質を排出する重要な臓器です。これらの臓器の働きが弱まると、体内に毒素が溜まり、それがけいれんを引き起こす場合があります。シニア期に入った犬猫や、持病を抱えている場合は特に注意が必要です。

3. 血液の異常
血液中のグルコース(血糖)やカルシウムの値が低下する(低血糖・低カルシウム血症)と、神経や筋肉に不調が生じ、けいれんが発生することがあります。特に子犬や子猫は血糖値が不安定になりやすいため、急な元気消失やふらつきが見られたら注意が必要です。

4. 中毒
チョコレート、キシリトール、除草剤、殺虫剤、保冷剤(エチレングリコール)などは、少量でも中毒を引き起こし、けいれんの原因となります。特に春は除草剤の使用が増える季節です。犬や猫が誤って舐めたり口にしたりしないよう、注意が必要です。

5. 環境の変化やストレス
環境の変化によるストレスがけいれんを引き起こすことがあります。春は引っ越しや新生活のスタート、気温の変化など、犬猫にとってストレスがかかりやすい時期でもあるため、注意が必要です。特に猫は環境の変化に敏感で、発作やけいれんだけでなく、膀胱炎などの身体症状として現れることもあります。

猫の膀胱炎についてはこちらから

ストレスを軽減するためには、引っ越し後もトイレや寝床の配置をできるだけ変えない、静かで安心できる場所を用意するといった環境作りが大切です。大きな音や急な環境の変化は避け、普段と変わらない生活リズムを意識することがストレスの緩和につながります。

 

発作・けいれんを起こしたときの応急処置


愛犬や愛猫が突然発作を起こしたときは、まず落ち着いて対応することが大切です。飼い主様が慌ててしまうと、犬や猫の不安をさらに高めてしまう場合があります。以下のポイントを参考に、冷静に対処しましょう。

<飼い主様がすべきこと>

発作の時間を計る
発作がどれくらい続くかは、重症度を見極めるための重要な指標です。発作中は時間が長く感じられがちですが、できるだけ正確に時計を見て時間を計測しましょう。

周囲の危険物を取り除く
発作中は予測できない動きをするため、周囲にある家具の角や鋭利なもの、危険な物は遠ざけてください。床に落ちている物も片付け、安全なスペースを確保しましょう。

刺激を与えない
発作中は大きな声で呼びかけたり、揺すったり、抱き上げたりといった行為は発作を悪化させるおそれがあります。静かに見守り、犬や猫が自分で落ち着くのを待ちましょう。

可能であれば動画を撮る
できれば発作の状況を動画に残しておきましょう。時間や症状の経過、発作の特徴など、獣医師にとって診察時の重要な判断材料になります。

<絶対にしてはいけないこと>

無理に口を開けたり、強く押さえつけたりするのは危険です。犬や猫、飼い主様のケガにつながるおそれがあります。

<発作が落ち着いた後の観察ポイント>

発作が治まったら、呼吸の様子、歩行の安定性、呼びかけへの反応などを確認し、異常があれば早めに動物病院を受診してください。

 

いつ動物病院を受診すべき?受診の目安


発作やけいれんは突然起こることが多いため、どのような状況で受診すべきかをあらかじめ知っておくことが大切です。特に次のような場合は、速やかに動物病院を受診してください。

初めての発作
発作の原因が特定できていない場合は、検査が必要です。発作の背景には、脳の病気や内臓の異常、中毒などさまざまな原因が考えられます。

発作が5分以上続く
発作が5分以上続くと、脳に十分な血液や酸素が行き渡らなくなり、命に関わる危険性があります。

24時間以内に複数回発作を起こす
短時間で繰り返し発作を起こす場合は、重積発作に進行する可能性があり、非常に危険です。

発作後に異常な行動が続く
発作が治まっても、意識がはっきりしない、歩行がふらつく、呼吸が不安定などの異常な行動が見られる場合は、まだ発作が完全に治まっていない、あるいは脳がダメージを負っている場合があります。

<病院に連れていく際の注意点>

事前に動物病院に連絡し、発作の状況を共有しておくと安心です。移動中の発作に備え、キャリーケースには余計なものを入れず、安全な状態に整えましょう。また、発作の様子や頻度を記録し、診察時には状態をよく理解している方が同行されることをおすすめします。

 

診断方法と治療


発作やけいれんの原因は多岐にわたるため、動物病院ではさまざまな診断を通じて原因を特定し、適切な治療を行います。

<診断の流れ>

発作の原因を特定するため、次のような診断が行われます。

▼問診
発作時の様子頻度どのような場面で発生したのかを詳しく伺います。発作の詳細を把握することは、診断の重要な手がかりとなります。

▼神経学的検査
目の反射、手足の反応、歩行の状態などを確認し、脳からの電気信号が正常に伝わっているかを評価します。この検査を通じて、脳に異常があるかどうかの目安をつけます

▼各種検査
血液検査では、内臓疾患や代謝異常など、脳以外の原因がないかを調べます
必要に応じて、レントゲン検査や超音波検査も行い、体内の異常を確認します。

▼MRI・CT検査
脳の病気が疑われる場合は、全身麻酔下でMRIやCT検査を実施します。脳腫瘍や脳炎、水頭症などの異常を詳しく調べるために必要な検査です。

<治療の選択肢>

診断の結果に基づいて、以下のような治療が行われます。

・てんかんと診断された場合
抗てんかん薬を使用し、発作の頻度や重さを可能な限り抑えることを目指します。発作のコントロールには長期的な管理が必要であり、薬の効果を確認しながら、獣医師と相談して調整していきます。

・脳以外の疾患が原因の場合
原因となる疾患に対して、内服薬や点滴などの治療を行います。例えば、肝臓や腎臓の病気が原因であれば、その治療を優先して進めます。

・ストレスが悪化要因となっている場合
発作は大きな音、トリミング、興奮や不安などのストレスによって悪化することがあります。環境を整えることも重要で、必要に応じて獣医師と相談しながら、静かな環境の確保や生活リズムの見直しなど、ストレスを減らす対策を行います。

<治療の目標と長期的な管理>

発作の治療では、発作を完全になくすことよりも、発作の頻度と重症度をできる限り軽減することが目標となります。

また、多くのケースでは長期間にわたる治療や管理が必要となります。症状の変化があれば、早めに獣医師に相談し、適切な治療方針を検討していくことが大切です。

まとめ


犬や猫の発作やけいれんは突然起こることが多く、飼い主様にとっては大きな不安となる症状かと思います。しかし、適切な診断と治療によって症状をコントロールしながら生活できる可能性は充分にあります。発作が起きた際は冷静に対応し、症状が長引く場合や異常が続くときは、早めの受診を心がけましょう。

名古屋市名東区で信頼できる動物病院をお探しなら「上社ペットクリニック」へお気軽にご相談ください。当院では、一人獣医師による一貫した診療で、愛犬・愛猫の健康を長期的にサポートしています。

当院の診療スタイルや魅力について詳しく知りたい方は、ぜひこちらの記事もご覧ください。

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