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夜中の愛犬の鳴き声に困っていませんか?老犬の夜鳴きと認知症の関係について

夜中に愛犬が鳴き続け、どう対処すればよいのか悩んでいませんか?夜鳴きは特に高齢犬に多くみられる行動の一つで、その原因には体調の変化や認知機能の低下が含まれることがあります。

今回は、愛犬の夜鳴きの原因と認知症との関係、さらには対処法について詳しく解説します。

■目次
1.愛犬の夜鳴きの主な原因
2.夜鳴きと認知症の関係
3.獣医師が推奨するご家庭での夜鳴き対策
4.医療的なアプローチ
5.まとめ

 

愛犬の夜鳴きの主な原因


夜鳴きはさまざまな原因で引き起こされます。原因とその背景を正しく理解することで、適切な対応がしやすくなります。

 

<認知機能の低下による不安>

高齢犬は認知機能の低下により、不安感や混乱が生じることがあります。夜間に自分がどこにいるのかわからなくなったり、暗闇が怖くなったりすることで鳴いている場合があるのです。また認知機能の低下で睡眠サイクルが乱れて夜間に眠れなくなり、夜鳴きしてしまうパターンもあります。

 

<体調の変化>

関節炎内臓の不調視覚や聴覚の低下など、身体的な変化が原因となることもあります。痛みや不快感が夜鳴きを引き起こしている場合があります。

 

<環境の変化>

犬は習慣を重視する動物のため、引っ越し家具の配置換え新しい家族や動物の加入など、環境の変化にも敏感に反応します。これらの変化がストレスとなり、夜鳴きにつながることがあります。

 

<生理的欲求や外的刺激>

寒さや暑さトイレの要求など、生理的な要因も考えられます。また、静かな夜間に外から聞こえる音が刺激となり、鳴き始めるケースもあります。

 

夜鳴きと認知症の関係


犬の認知症(犬の認知機能不全症)は、加齢に伴う脳機能の低下が原因で、記憶力や判断力に問題が生じます。この状態になると、愛犬の日常行動が変化し、混乱や不安を引き起こすことがあります。特に高齢犬では、認知症が進むと周囲の状況を正しく認識できなくなり、生活リズムの乱れや問題行動が現れることが多いです。

 

<夜鳴きが起こるメカニズム>

認知症による夜鳴きは、以下のようなメカニズムで発生します。

昼夜逆転:日中に過剰に眠り、夜間に覚醒することで、夜鳴きの頻度が増えます。
空間認識の混乱:自分がどこにいるのかわからず、不安から鳴き声を上げることがあります。
孤独感や不安感の増幅:暗闇や静寂により、孤独感が強まりパニックを引き起こすことがあります。
飼い主への認識の低下:そばにいる飼い主様を認識できなくなり、不安感が増幅することもあります。

 

<早期発見のポイント>

認知症による問題行動を早期に発見することで、適切なケアを始められる可能性が高まります。以下のような兆候が見られた場合は、早めに動物病院で相談してください。

名前を呼んでも反応が鈍くなる
壁や家具にぶつかる
トイレの失敗が増える
徘徊や、同じ場所を繰り返し動き回る行動が増える
飼い主様とのアイコンタクトが減る

 

他にも、食欲が不安定になったり、突然吠えるなどの問題行動がみられることもあります。これらの行動は、認知症が進行していることを示す重要なサインです。

 

獣医師が推奨するご家庭での夜鳴き対策


愛犬の夜鳴きを軽減するために、ご家庭でできる具体的な方法をご紹介します。

 

<不安を和らげる環境づくり>

夜鳴きを軽減するためには、愛犬が安心できる環境を整えることが大切です。暗闇が不安を引き起こす場合は、夜間に小さな照明をつけることや、心地よい寝床を用意することが効果的です。また、い主様の声が聞こえるようにするなど、安心感を与える工夫も有効です。

 

<フェロモン療法の活用>

フェロモン療法は、フェロモンを利用して犬がリラックスできる状態を促す方法です。以下のような種類があります。

・スプレータイプ:寝床やクレートに直接スプレーします。外出時にも便利です。
・首輪タイプ:常にフェロモンを放出するため、持続的な効果が期待できます。
・コンセントタイプ:部屋全体にフェロモンを拡散し、リラックスできる空間を作ります。

 

<日中の活動量を増やす>

適度な運動や遊びを取り入れ、夜間にぐっすり眠れるように促します。頭を使うおもちゃ簡単なトレーニングも、精神的な満足感を与えるため効果的です。また、規則正しい生活リズムを維持することで、愛犬の不安定な行動を減らす効果があります。

 

医療的なアプローチ


愛犬の夜鳴きの原因が特定できない場合は、獣医師に相談することが第一歩です。体調の変化や認知機能低下の有無を確認し、それに基づいて適切な治療法を選択します。

 

<抗不安薬やサプリメント>

心の安定を図るために、抗不安薬やサプリメントを処方することがあります。これにより、不安感が軽減され、夜鳴きが改善する場合があります。

 

<フェロモン療法>

フェロモン療法は医療的アプローチとしても評価されており、リラックスを促す補助的な手段として使用されます。夜鳴き以外の不安症状にも効果的です。

 

当院では、夜鳴きに悩む飼い主様にさまざまなご提案を行っています。愛犬の夜鳴きの原因や症状の程度をしっかりと見極め、飼い主様と一緒に話し合いながら、最適な治療法やケア方法を決定しています。

 

まとめ


老犬の夜鳴きは飼い主様にとって大きな悩みとなることもありますが、適切なケアを行うことで改善の可能性は十分にあります。一人で抱え込まず、早めに獣医師に相談することで改善の糸口を見つけましょう。
愛犬の生活の質を向上させるために、原因をしっかり見極め、一頭一頭に合った治療法やケア方法を見つけることが大切です。夜鳴きについてお悩みの際は、どうぞお気軽に当院へご相談ください。愛犬との穏やかな毎日を取り戻すためのお手伝いをさせていただきます。

 

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